□こゆび侍とは

たったひとつのうつくしい瞬間に向けて即物的に生み出したエピソードを、
息を吹きかけたら破綻してしまいそうなバランス感覚によって、綿密に構成しています。
蛇と蛾の恋物語や閉館間近の劇場へ捧げる公演など、絵的である事よりも詩的であることを目標に、奇妙で特異な設定から生じる空気感を舞台上に体現することを第一に考え、
「見せる舞台」ではなく「感じる舞台」になるようにと、内々での対話の積み重ねだけに焦点を当てて、舞台を制作していきます。

□主宰のことば

萩原朔太郎という詩人が好きだ。
彼は、詩の目的は「人心の内部に顫動する所の感情そのものの本質を凝視し、かつ感情をさかんに流露させること」と言っていて、僕はそのことばの狂信者である。
だから僕は、こゆび侍の舞台を、劇場を含めた舞台全体が、詩になるように作っている。
とはいえ俳優に舞台の上で詩を朗読させるということではない。
俳優を、神経過敏な状態で舞台の上に配置するということで、最初から最後まで「俳優の感情」に焦点を当てて、物語を上演するということである。
現代社会を生きて備わった、だらしのない身体を引きずりながら、
「すきだからすき」
「したいからする」
という非常にシンプルな感情をそれぞれの状況においてぶつけ合い続け、
その末に、例えば「浮気をした彼女が粉々になって空から降ってきたときの感情」という、
字面で見ただけではよくわからない感情を、俳優の身体からサルベージしてくるのである。
萩原朔太郎はまた、こうも言っている。
「詩はただ、病める魂の所有者と孤独者との寂しいなぐさめである」
こゆび侍の舞台が好きな人はつまり、病んでいるか、あるいは孤独であるか、のどちらかに属しているということである。言い換えれば、こゆび侍の舞台が嫌いな人は、精神が健全、あるいは友達がたくさんいる人ということであり、嫌いであるという選択の方がむしろ好ましいのである。
こゆび侍主宰 成島秀和

こゆび侍

次回公演 ドン・キホーテの恋人

  • 日時:2008/1/10 〜 13
  • 場所:王子小劇場
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